観葉植物
与太郎の妄想独り言

2017-07

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うつくしいかおり、のぞむはる その2

4月第2週 その1?1

「おはよー」
リビングに入ると父さんがこっちを見た。
「おはよう」
そう言うと、改めて手にした新聞に目を落とす。
「おはよう高志くん」
あずさ姉さんが食卓に朝食を運んでくる。
「おはよう姉さん」
「今コーヒーを淹れてくるわね」
「うん、ありがとう」
そう言って席に着こうとしたら、キッチンから母さんに呼ばれた。
「高志ーっ」
「はーい?」
「悪いけど先にあの二人、もう一度起こしてきてちょうだい」
「・・・りょーかい」
「お願いね」
「あらぁ、それじゃコーヒーも後のほうがいいわね」
姉さんが気を使ってくれる。
「悪いけどそうしてくれる?ちょっと行ってくる」
「がんばってね」
そう言って右手をヒラヒラと振る姉さんを見て、俺はもう一度二階へ向かう。 俺の名前は双海高志。
先日入学式を済ませたばかりの高校一年だ。
家族は両親と、先程リビングにいた従姉の三浦あずさ姉さん。
こちらの大学に通うため、昨年から地方の実家を出て家に下宿している。
容姿端麗・スタイルバツグン・成績優秀、おまけに家事全般もソツなくこなす女性の鏡のような人。
ところが、おっとりした性格から来る天然成分と、極度の方向音痴が玉に瑕。
それを心配した叔父さん・叔母さんが、我が家への居候をお願いしてきたって訳。
あと、それから・・・


ドアをノックして声をかける。
「おはよー!」
・・・返事はない。いつもの事だが。
もう一度ノックして、
「入るぞー!」
部屋に入る。
広い部屋にはベッドと机が二つづつ、対照的に配置されている。
俺はカーテンを開けてから、片方のベッドに近づいた。
「ほら亜美、起きろ!」
そう言って布団をめくる。
「ん?、おっはよー兄ちゃん」
「おっはよー兄ちゃん、じゃない!目が覚めてるんならさっさと着替えろ」
「えーっ、だって亜美お布団好きだしぃ」
「まったく毎朝・・・」
そしてもうひとつのベッドに近づく。
「起きろ真美!」
こちらもやはり布団をめくる。
「・・・すぅー・・・」
全く反応がない。
少し様子を見てから、鼻をつまむ。
「ムギュッ!」
「ふがっ・・・、ふぐっ・・・。ふぇ・・・、ふぇ!!」
さすがに跳ね起きた。
「・・・ん、・・・あ、兄ちゃん」
しかし目が覚めたわけではない。
「おはよう真美!」
「う?っ、眠い?」
「もうとっくに朝だぞ、いい加減に起きろ」
「まだ寝てたい?」
「ダメ!」
「だぁってぇ?」
コイツはまったく。
仕方がないので最終手段を使う。
真美の両脇腹を指を立てて掴む。
「ひぁっ!」
真美の背筋がピンッと伸びる。
「起・き・な・さ・い・!」
そのままくすぐってやる。
「きゃっ!あんっ…わ、わかっ…あっ!……たか、ら…はぅ…起き、る……うんっ、から…く、くす…ぐったい…んっ……!」
「あーっ!真美だけズルイー!ねぇねぇ兄ちゃん、亜美もやってやってー!」
「お前なぁ・・・」
結局リクエストには応えてやるワケだが。


双子の妹、亜美と真美。
この春遂に小学六年になった。
無邪気と言えば聞こえはいいが、お調子者でマイペース。
それが二人もいるもんだから、与える効果は倍以上。
毎日朝から晩まで振り回されっぱなしだ。
それでも、兄としてはやっぱり可愛い妹なワケで。
それが二人もいるもんだから、やっぱり効果は倍以上。


「早くしないと朝ごはん抜きだぞ」
「あっ!それはヤダッ!」
「真美もヤダッ!あずさ姉ちゃんの目玉焼きたーべーたーいー!」
「今朝はオムレツだったよ」
「「オムレツ!」」
亜美と真美は顔を見合わせた。
「早くしろよ」
そう言って部屋を出る。
「「いそげーっ!!」」
部屋の中からドタバタと着替えにしては大きな音が聞こえてくる。
この落ち着きのなさは、来年本当に中学生になれるのか心配になってくる。
リビングに戻ると、父さんは早々に食事を済ませていた。
「お帰りなさい、毎朝楽しそうね」
姉さんが出迎えてくれた。
「他人事だと思って」
そう言って苦笑いした。
「フフッ、コーヒー淹れてくるわね」
キッチンに向かう姉さんを見ながら、俺は改めて席に着いた。
入れ替わるようにキッチンから出てきた母さんに聞かれる。
「どう?二人起きた?」
「そりゃ、姉さんのオムレツをエサにガッチリキャッチさ」
釣りの身振りを加えて答える。
「それは光栄ね」
そう言いながら、姉さんは持って来てくれたコーヒーをテーブルに置いた。
「う?ん、でも母親としてはそれってちょっと複雑なのよね」
母さんは神妙な顔になる。
二人が作る料理はどれも甲乙付けがたいけど、姉さんの焼く目玉焼きとオムレツは特に絶品で、実は俺も毎朝楽しみにしている。
「でも、母さんには必殺の玉子焼きがあるじゃない」
「そうなのよね。教わりながら同じように焼いてるんだけど、どうしてもおば様の味にならなくて」
そう言いながらも笑顔の姉さん。
実際どういう訳か、玉子焼きになると母さんが焼いたものの方がうまい。
さすがに姉さんも、本当にこれだけは敵わないらしい。
「父さんもそう思うよね?」
せっかくなので父さんにも振ってみた。
「んー?まぁ父さんは何食っても母さんの作る料理が一番だけどな」
笑顔で母さんを見る父さん。
「まぁ、お父さんったらっ」
嬉しそうに父さんを見る母さん。
「「ごちそうさま」」
思わずハモってしまい、顔を見合わせて笑う俺と姉さん。
騒々しい音がして、亜美と真美がリビングに入ってきた。
「おっはよー!オムレツオムレツー!」
「おっはー!わーっ、おいしそー!」
「「いっただっきまーす!」」
食べ始めるまでが早い。
「お前たち、行儀悪すぎだぞ」
毎回注意はするけれど、いっこうに治る気配はない。
「う?ん、おーいしー!」
「やっぱあずさ姉ちゃんのオムレツはサイコーだよね、真美!」
心からの美味しい笑顔。
これを見せられると、結局何も言えなくなる。
「ねぇお母さん、今度お母さんの玉子焼きで朝ご飯食べたいな」
「あっ真美も!その時は、お味噌汁も食べたいな」
「あーっそれいいな!」
まるでさっきまでの会話を聞いていたかのような空気の読みっぷり。
本物のエスパーかと思わせるほどだ。
「はいはい。じゃ明日の朝は和食にしましょう」
「「わーい!やったやったー!」」
「よーし。それじゃ明日の朝は、二人共自力で起きてくるんだな?」
調子に乗りすぎないよう、クギを刺す俺。
放っておくとどこまでも暴走しかねない。
「うっ・・・、兄ちゃんの鋭いツッコミ。どーする真美?」
「よーし、ここは真美たちだってやれば出来るって事を証明してあげようよ、亜美」
「そうだね。じゃあ明日は兄ちゃんより早起きして、兄ちゃんをくすぐりに行こうよ」
「うん。と言うわけで兄ちゃん、明日の朝は覚悟しておくよーに!」
「あぁ、望むところだ」
今までも何度かあった会話。
もちろん一度だって二人が俺を起こしに来たことなんてない。
恐らくは、明日も。
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はじめましてー

はじめまして、ガラスという者です。
主に見る専のブログをやってたりします。

まさか、よたさんがブログをやっていたとは思わなかったので驚きました。
SSですけど、最初、なんで苗字が双海なんだろうと思ったら亜美と真美の兄という設定だったとは予想していませんでした・・・w
そして何より、時雨君の登場に大爆笑してしまいました。まさか登場人物になっているなんてwww
今後の展開が気になりますっ!

Re: はじめましてー

> ガラスさん

はじめまして&こんな僻地にようこそ。
コメントありがとうございます。PC前でリアル小躍りしましたwww


>今後の展開が気になりますっ!

拙作とさえいえないような物ですが、少しでも楽しんでもらえたなら嬉しいです。
まったり更新ですが、がんばって続けていきます。

ちなみに、時雨君の他にも出てますよーwww


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色々と残念な親父です。

でも人生楽しんでます。

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