観葉植物
与太郎の妄想独り言

2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

うつくしいかおり、のぞむはる その7

4月第2週 その2?1

約束の時間よりちょっと早い、土曜日の朝9時50分を回ったところ。
見慣れた玄関前でインターホンのボタンを押す。
「はーい?」
スピーカーから聞こえるおばさんの声。
「おはようございます、高志です」
「あら高志君、鍵開いてるから入ってちょうだい」
促されて玄関に入ると、ちょうど奥から美希のお母さんがやって来た。
「失礼します」
「いらっしゃい。そんなにかしこまらなくてもいいわよ。今、美希呼んでくるわね」
そう言って2階に上がって行く。
「美希、高志君来たわよ。」
「ハーイ、すぐ行くからちょっと待って」
「早くなさい」
そんな会話が聞こえた後、おばさんが下りてきた。
「ちょっと待ってね。せっかくだから上がってお茶でも飲んでいかない?」
「いや、ここで待ちます。上がるとつい長居しちゃうんで」
「あらそぉ?残念ね」
本当に残念そうに言われてしまった。



美希の家には亜美・真美共々いつもお世話になってるけど、特に俺はおばさんに気に入られているらしくて、時にはこっちが困ってしまうくらいに気を使ってくれる。
「でも今日は美希を誘ってくれて本当に助かったわ。あの子一人で出かけさせたら何をしてくるか分からないもの」
「いや俺も買い物ありますから、逆に美希を付き合わせちゃうんですけど」
「そんな事は気にしなくていいのよ。高志君が一緒なら私も安心だし」
「お待たせー」
2階から下りて来た美希を見て、おばさんは小さなため息をついた。
「美希、あなたもうちょっとオシャレな格好とかしたらどうなの?」
「えー?メンドくさいからいーよ」
「だって、せっかく高志君が誘ってくれたのに。ねぇ?」
「ミキたち、ただお買い物に行くだけなんだよ。ねぇ?」
いや、二人揃って俺に振られても。
リアクションに困るんだけど。
「高志クン、こんなお母さんほっといて行こ」
「まったく。高志君が一緒だから遅くなってもいいけど、連絡だけはするのよ」
靴を履きながら聞いていた美希は、立ち上がり様に「はーい」と返事だけして、そのままさっさと出かけようとしている。
「もう美希ったら。高志君、悪いけど美希のことお願いね」
「はい、分かってます」
「美希、あんまり高志君の事困らせたらダメよ!」
「分かってるよ!」
おばさんは、もう外に出てしまった美希に声をかけた。
「それじゃ、行って来ます」
おばさんに軽く会釈をして外に出る。
玄関先で待っていた美希は、いかにもムッとした顔で口を尖らせていた。
行こうと促しながらその横顔を眺めて
「どうしたんだ美希。そんな顔してたらカワイくないぞ」
なんて意地の悪いことを言ってみる。
美希は「むーっ」と唸りながら俺を睨む。
こんな表情さえもカワイらしく見えてしまうのは身内びいきと言う奴か。
「だって最近お母さんがヘンなんだもん。オシャレなカッコがどーとか、女の子らしくするのがこーとか。今日だってただお買い物に行くだけだって言ってあったのに、昨夜からあれこれって。ちょっとしつこいって思うな」
「それは美希だって年頃の女の子なんだし、美希の事を考えて言ってるんじゃないのか?」
「そーなのかな」
「そうさ。せっかくだからおばさんの言う事も聞いて、買い物終わったらウィンドショッピングでもして行こうか?服とか雑貨とかさ」
「う?ん、でも見た目だけオシャレしても仕方ないって思うけど?」
「確かにそうだけど、でも見た目の第一印象も大事だと思うぞ?どこに行くかは昼にオイシイ物でも食べながら考えようよ」
「そーだね。うん、じゃあそーしよー!」
やっといつもの笑顔が戻った。
美希に限った話じゃなく、やっぱり笑顔が一番だと思える瞬間だ。

「えっと、これで全部かな。間違いない?」
美希が手元のプリントを見ながら、袋の中身を確かめる。
「うん大丈夫、全部揃ってるよ」
「OK。思ったほど大きな荷物にならなくて良かったな」
「うん。でもホントにいいの?ミキの荷物なんだし、ミキ自分で持てるよ?」
美希が会計を済ませてる間に、荷物は俺が手に取っている。
特に考えてもいなかったけど、
「別にいいって。俺の方こそ買った物入れて持ち歩くのに使わせてもらうつもりなんだし」
無駄に気を使わせないように言っておく。
「分かった、ありがと」
美希はニコッと笑って言った。
実際それほど大きくも無い手提げ袋一つに納まってる訳だし、気を使って貰うほど重たくもない。
「じゃ、次は高志クンのお買い物だね」
「あぁ。ちゃちゃっと済ませてゆっくり昼飯にしよう」
俺達は少し離れた所にある、文具専門店に向かう。
しかし、こんな店普段全く来ないから何処に何があるのかさっぱり分からない。
まず入り口の案内板で目的のフロアを探して、更に上がった先の売り場案内で場所を探す。
「奥の方だってさ」
間口のワリに奥行きのある店内は、専門店のせいか土曜の昼前としては人影はまばらだ。
店の雰囲気もあるけど、別に必要も無いのに二人して妙にかしこまってしまって、声が小さくなる。
「ここだね」
棚に付いてる案内板で目的の場所を見つけて、棚の向こう側に回りこもうと思ったら、
「きゃぁっ!」
小さな悲鳴と『すてて?ん』といった感じの音が目的地辺りから聞こえてきた。
一瞬美希と顔を見合わせてから棚の向こうへ回り込む。
そこには女の人が四つん這いになってうずくまっていた。
やはり転んだらしい。
「大丈夫ですか?」
近づいて声をかけたら、
「は、はい大丈夫です。すみませ・・・ふ、双海クン!?」
「えっ、天海さん?」
なんと、そこに居たのは天海さんだった。
お互いに目を丸くして相手を見ている。
「と、とにかく立てる?」
「うん。あ、ありがとう。でも、恥ずかしいトコ見られちゃったな」
俺が出した手を取って立ち上がると、スカートの裾を軽く払いながらそう言った。
反対の手に持っているものを見ると、ここに来た目的は俺と同じらしい。
「天海さんもそれ、買いに来てたんだ」
「じゃあ双海クンも?」
「うん。俺はついでだけど」
俺の買い物は、じつは今月中に用意してあれば良いだけだから、ゴールデンウィークまでに買えばよかった物だ。
オマケに指定も無いからどこの文具店で買っても構わない代物で。
つまり今日この店で同じ目的の人と会うなんて、全く考えていなかった。
「私はこういう物って先に用意しておかないと不安なのよね。それに今日は暇だったし。
 それでせっかくだから、ウィンドショッピングなんかも兼ねて出てきちゃったの」
そんな話をしていたら、俺の袖を引っ張って美希が聞いてきた。
「ねぇ、誰?」
「えっ?あらかわいい子ね。どなた?双海クンのお友達?」
だから二人揃って聞かれても同時には答えられないから。
リアクションに困るって。
とりあえず美希にはクラスメイトの天海さんを、天海さんには幼馴染の美希を簡単に紹介した。
「ハジメマシテ」
「こちらこそ、よろしくね」
笑顔で握手を求めた天海さんに、なんだか渋々と応じる美希。
おまけにちょっとムッとしているようにも見える。
「どうしたんだ?」
「別に、どーもしないよ」
そう言うワリには、やっぱりちょっとムッとしてる。
どうしたって言うんだろ。
「ねぇねぇ、二人共この後は何か用事あるの?」
「いや、特に何も。強いて言えばウィンドショッピングくらい。天海さんと同じかな?」
「じゃあせっかくだから、もし良かったら一緒にお昼食べない?」
学校での昼食会と言い、知り合った人を食事に誘うのは毎度の事なんだろうか。
「俺は構わないけど。美希、どうする?」
「別に、構わないけど」
「やったぁ!ありがとう。一人で食べるご飯って味気なくって」
「でもこの辺りって何があったっけ?俺たちこの辺って良く分からないんだよね」
「それなら任せて。近くに穴場のお店があるの、知ってるんだ」
「ホント?それは楽しみだな」
「それじゃ、お買い物済ませて行きましょ」
そう言ってレジに向かう天海さんに追いて行く様に、俺たちもレジに向かった。
スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://yota323.blog63.fc2.com/tb.php/35-37848fdf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

よた

Author:よた
色々と残念な親父です。

でも人生楽しんでます。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (5)
ご挨拶 (9)
SS (16)
ニコマス (125)
ニコニコ動画 (17)
はるるん (30)
雑記 (28)
携帯 (2)
美希 (27)
iM@S SP (2)
VOCALOID (34)
ネタ (3)
雪歩 (9)
MikuMikuDance (45)
写真 (10)
JAXA (13)
UTAU (4)
アイマス2 (5)
重音テト (2)

フリーエリア


My List
by yota39

FC2カウンター

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。