観葉植物
与太郎の妄想独り言

2017-08

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「はやぶさ」の遺したもの ?次の世代への贈り物?

ひさしぶりの「はやぶさ」関連記事は、今日と言う日に合わせて用意してました。
2003年5月9日13時29分25秒。
丁度7年前の今日、「はやぶさ」はM-V5号機に乗ってイトカワへ向けて飛び立ちました。
この7年間の想像を絶する冒険の旅路で、「はやぶさ」は様々な発見と成果を残してきました。
今回の俺得記事は今までと少し趣向を変えて、「はやぶさ」のお仕事について紹介したいと思います。
有名な割には「実際にはどんな観測をした」のか、あまり知られていない様なので。
とは言ってもただ好きなだけの戯言程度なので、難しい話や専門用語等はほとんど出てきません。
その代わりと言っては何ですが、ものすごい長文になってます。
気軽にと言える文章量ではありませんが、できれば覗いていってもらいたいと思います。







まず最初に「はやぶさ」が観測をした小惑星「イトカワ」について少しだけ解説を。
「イトカワ」は地球と火星の間に無数にある「小惑星」と呼ばれている天体の一つです。
現在発見されている小惑星は数十万個を数えるそうです。
その中でも「イトカワ」はもっとも一般的なタイプの一つです。
大きさは最大長で500?少々。
幅と高さは300?にも満たない、本当に小さな天体です。
公転軌道(太陽の周りを回る軌道)はもっとも遠いところでは火星軌道の少し外側まで離れます。
逆に最も近いところは地球軌道の少し内側まで入り込む楕円軌道を約1年半で回っています。
ちなみに「イトカワ」と言う名前は、「はやぶさ」が打ち上げられてから命名された物でもあります。
元々は「25143」という小惑星番号が与えられていただけでした。
しかし「はやぶさ」の探査対象になった事から、当時の宇宙科学研究所から命名が依頼されました。
名前の元は日本の宇宙開発に尽力した日本のロケットの父、「糸川英夫」先生にちなんだものです。
国際天文学連合に承認されたのが2003年8月6日。
「はやぶさ」の打ち上げから約三ヶ月後の事でした。
「はやぶさ」は自らの父の名を持つ小惑星に「会いに」行ったんです。

最も平凡なタイプの小惑星「イトカワ」を探査することで、最も一般的な微小小惑星像を描く指針にする。
それが「イトカワ」探査の一番の目的でした。
事前の望遠探査で「イトカワ」の大まかな形とサイズは分かっていました。
それでも「はやぶさ」が直接光学観測した「イトカワ」の素顔は、想像をはるかに超えたものでした。
事前観測から予想されていた「イトカワ」は、最大長300?程度のピーナツ型と思われていました。
ところが現実には途中にくびれを持って、少し折れ曲がった形をしていました。
その形から「ラッコ」と呼ばれていますが、殻つきの落花生を想像すると分かりやすいと思います。
そのサイズから微小重力しか存在しない表面には、予想に反して多様で複雑な地形が広がっていました。
最大で50?にも達する岩塊もある地域から、細かな小石に覆われた平坦な地域まで。
更には地滑りのあとまで見つかりました。
なにせ人間が力一杯ジャンプするだけで重力圏から脱出できる程度の重力しかないんです。
これらの発見は大変な驚きと共に、新たな謎として関係者の探究心を刺激することになりました。
惑星の生成に今まで思いも付かなかったプロセスが存在していた。
これらの事は各種観測機器で詳細なデータの取得と研究成果として、あらゆるところで発表されています。
「はやぶさ」が約2ヵ月に渡って行った観測は、世界中の惑星科学に大きな反響をもたらしました。
惑星探査機としての「はやぶさ」の仕事は、ここで100点満点以上の成果を出しているんです。
しかし「はやぶさ」に与えられた仕事は、これだけではありませんでした。

そう、「サンプル・リターン」です。

「イトカワ」の表面から直接サンプルを取って来なければなりません。
これは未だかつて誰もやった事のない仕事です。
でも「サンプル・リターン」における一番重要な仕事は、実は「地球に帰還する」事なんです。
もちろんサンプルを採取出来ていれば、これ以上の成果はありません。
それも惑星間空間を往復する技術の確立が出来ていればこそ、の成果です。
「はやぶさ」が「イトカワ」まで往復することは、後々の惑星探査に大きな道標を残す事。
他の天体を知ることは、地球を知る事に繋がります。
そのために、探査対象まで「往復する技術の確立」は大きな意味を持っています。
ロボット探査機が自立航法をもってサンプルを回収する。
この探査が一般的な方法になれば、地球をより深く知る事に繋がって行きます。
もしかすると、地球温暖化対策に大きなヒントを与えてくれるかもしれません。
「はやぶさ」が地球に帰って来るのは、ただの話題作りじゃないんです。
今はまだ小さな一歩でも、それが未来に向かう大きな一歩に繋がって行くんです。
現在「はやぶさ」は、地球帰還に向けて2度の細密誘導を無事完了しました。
帰還予定日は6月13日。
「はやぶさ」の状態は良好の様ですが、まだまだ安心できません。
ぜひ無事に帰ってきてほしい、そして「おかえり」と言ってあげたいと思っています。

この大仕事を前に、「はやぶさ」にはもう一つ大切な仕事がありました。
「イトカワ」まで共に旅をしてきたもう一つの探査機「ミネルバ」の「イトカワ」への投下です。
元々「はやぶさ」には、NASAの作った探査ロボットが乗る予定でした。
しかし幾多の理由から、NASAからキャンセルされてしまったんです。
そこで急遽生みだされたのが「ミネルバ」でした。
直径12?・高さ10?・重さ591g。
掌に乗る程度のその小さな体に、大きな期待を背負って。

「ミネルバ」の仕事は、「イトカワ」の表面を移動しながら写真を撮影しまくる事。
それを「はやぶさ」を通じて地球に送信する事。
極論ですが、それだけです。
急遽決まった開発だったため予算が与えられず、宇宙専用部品がほとんど使えない。
使っても新品は高くて手が出せないので、廃棄される予定の部品を寄せ集めるしかなかった。
後の大部分は一般的な民生品を寄せ集めて完成させたんです。
そんな「ミネルバ」はしかし、2年に渡る宇宙航海を越えて「イトカワ」で元気な活動をしました。
しかしそれは、本来目的とした「イトカワ」の表面ではありませんでした。
「ミネルバ」分離の指令を出してから「はやぶさ」に指令が届くまで約16分。
このタイムラグが決定的でした。
指令を出した時と指令を受けた時では、「はやぶさ」の状況が変わってしまっていました。
指令が「はやぶさ」に届いた時、「はやぶさ」は「イトカワ」から上昇中でした。
「イトカワ」から離れる方向に進んでいる状態から「ミネルバ」は分離されてしまったんです。
結果、「ミネルバ」は「イトカワ」に届くことなく、18時間後に通信が途絶しました。
「ミネルバ」は遂にその使命を果たすことなく、世界最小の人工天体として今も一人飛び続けています。

P名無し(KGNさん):ほしのうた(仮)?今も飛び続ける「ミネルバ」へ


でも「ミネルバ」分離の失敗も、決して無駄ではありません。
実は「ミネルバ」分離の時点で、既に「はやぶさ」の姿勢制御用のリアクションホイールが壊れていたんです。
それも3機の内の2機が。
この時点で「はやぶさ」は姿勢制御がおぼつか無くなっていたんです。
そんな状態から「イトカワ」への着陸?離陸が成功出来たのも、「ミネルバ」の失敗が教訓になったからです。
「ミネルバ」の教訓がなければ、もしかしたら「イトカワ」への着陸は成功しなかったかもしれません。
それと忘れてはならないのが「ミネルバ」自身が遺した成果です。
結果として「イトカワ」の表面探査を行う事は叶いませんでした。
しかし「ミネルバ」は、通信が途絶するまで「正常に」作動し続けていました。
その身の大部分を民生品で賄い、宇宙専用品はほとんど使えなかったのに。
「イトカワ」への旅の途中、観測史上最大級の太陽フレアと言う宇宙線嵐の直撃まで食らいながら。
2年もの宇宙旅行の後に元気に作動し続けていた事。
たった一枚でも、撮影した写真を「はやぶさ」を通じて送り届けた事。
この事実は今後の衛星開発に大きな意味と自信を残してくれました。
「ミネルバ」の遺した実績は、今後の惑星探査に必ず活かされて行くでしょう。

さてかなり長くなってきましたが、最後に「はやぶさ」の遺した実績を二つ。
一つは主推進機の「イオンエンジン」。
もう一つが図らずも実証してしまった「ソーラーセイル」です。
「イオンエンジン」は説明が難しいので、超意訳で説明します。
蛍光灯の片側を切り取って、中にキセノンガスを入れて電気を流します。
そうすると開いた口から原子化したキセノンガスが勢いよく噴き出してきます。
はっきり言って間違った表現ですが、何となくでも分かってもらえるといいんですが。
この推進機の最大の特徴は、「燃費の良さ」につきます。
前回上げた「のぞみ」に関する記事で書いてあるのですが。
「のぞみ」が火星探査に必要な燃料は「278?」でした。
それも火星までの「片道切符」に必要な、ギリギリ一杯の量でした。
それに対して「はやぶさ」が用意した燃料は、わずかに60?程度。
それも「イトカワ」まで往復をして、まだまだ余裕があるとの事。
「のぞみ」の重量536?の内、なんと約52%は燃料が占めています。
たいして「はやぶさ」の重量は510?程度。
計算するのも馬鹿らしくなりますが、わずかに12%程度の量で済んでしまします。
「イオンエンジン」はその燃費の良さから、より遠くの天体への探査に大きな威力を発揮します。
信頼性さえ上げれば、冥王星への往復だって夢ではありません。
その代わりに、決定的に推力が弱いと言う弱点もあります。
「はやぶさ」に使われた「イオンエンジン」は全部で4機。
但し最大で同時に3機までしか使われない設定になっていました。
これは万が一の時に推進機能を確保するため、1機は予備に取って置く設定だったからです。
この3機を同時に最大出力で使って得られる力は、1円玉1枚を持ち上げるのがやっとです。
その分一般的な化学燃料の推進機よりも、長時間の運用が必要になります。
それでも最終的に得られる加速度は、化学燃料推進機を大きく上回る事になります。
それも化学燃料よりもはるかに少ない燃料で、です。
現在「イオンエンジン」を使った探査機は、既に複数台が運用されています。
しかし惑星間空間に飛び出し、更に地球に帰還して来る探査機は「はやぶさ」が初です。
ここまででも既にいくつかの「世界初」の技術の立証と確立をしてきました。
そんな「世界初」の技術立証がもう一つ。
「ソーラーセイル」技術があります。
これは太陽の光を探査機に受けて、そこから受ける圧力を使って帆船の様に進む技術です。
光には「圧力」がある事は、科学的には周知の事実です。
それを風に見立てて帆で受けて進む事が出来れば、使う燃料はより少なくて済みます。
今までも何度か実証実験は繰り返されてきてはいたんですが、今まで成功した事はありませんでした。
「はやぶさ」は、それを図らずも成功させていたんです。
「イトカワ」上空で不安定になった機体を、太陽光圧を利用して安定させる事に成功したんです。
怪我の功名とはいえ、これもまた世界初の技術立証となりました。
但し「はやぶさ」には「帆」がありません。
だから羽根の様に広げた太陽電池パドルに太陽光を受けて、機体を安定させるのが精いっぱいでした。
それでも「ソーラーセイル」は技術として有効であることは、実証して見せたんです。
「イオンエンジン」と「ソーラーセイル」。
この二つの革新的な推進技術を同時に使った科学実証衛星が、間もなく打ち上げられようとしています。
それが小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」です。
「IKAROS」の革新的な事は、帆の部分に太陽電池を組み込んであること。
ここから電力を受けて、本体の運用と「イオンエンジン」を駆動させる事が出来る設計になっています。
「IKAROS」は「ソーラーセイル」実証機であると同時に、「イオンエンジン」を併用した世界初のハイブリッド航法システムになっています。
どちらの技術も「はやぶさ」で成功したから組み込まれた訳ではありません。
それでも「はやぶさ」で確立したノウハウが組み込まれているのは事実です。

「はやぶさ」は6月の地球帰還に向けて、一部でですが話題になっています。
しかし帰って来た事だけが「はやぶさ」の全てではありません。
すでに数多くの成果を遺してくれています。
それは既に「IKAROS」や金星探査機「あかつき」と言う次世代の探査機達に受け継がれています。

おつかいP:【MMD-PV】Starduster 「はやぶさ」?はじめてのおつかい?


「はやぶさ」は地球に帰還しても、大気圏への再突入で地球と一体となっていきます。
姿かたちは消えてしまいますが、遺してくれたたくさんの大切なものは次世代へと受け継がれて行きます。
なにより「はやぶさ」自身が、それ以前に打ち上げられてきたたくさんの衛星やロケット達から、技術やノウハウをその身いっぱいに受け継いだ探査機でした。
宇宙開発に限らず、どんな技術もこうして受け継がれて行くことで進歩して行きます。
それは一朝一夕で成し得るものではありません。
その場では意味を成さないものの方が、きっと多いと思います。
だからこそ続けて行く事に意味があるんです。
どんな結果であろうとも、無意味なものなんてないんです。
かならず我々の実生活のどこかに、恩恵として還元されています。
生活環境をより良くするために、例え目に見えなくても紛れているんですよ。
せめて技術開発に対する冷遇が、少しでも改善されてくれるといいのですが。
この記事程度が、その力になれるとは思いません。
それでも何もしないで黙っている事も出来ません。
最低でも声を上げて、一人でも多くの人に耳を傾けてもらえうと嬉しく思います。
それがやがて、次の、またその次の世代にでも受け継がれて行くことを願って。



「はやぶさ」関連記事ですが、後2?3回くらい上げる予定です。
少なくとも今月中にもう一回。
5月18日に打ち上げ予定のH-?A17号機を前後して。
金星探査機「あかつき」にまつわる話題を語って見たいと思います。
宇宙開発に少しでも興味を持ってもらえるような文章を書けるよう、頑張って見ます。
ただ好きなだけの一人の宇宙好きとして、何かしてみたいと思います。
よかったら、またお付き合いをお願いします。

スポンサーサイト

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://yota323.blog63.fc2.com/tb.php/253-10daaf4b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

よた

Author:よた
色々と残念な親父です。

でも人生楽しんでます。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (5)
ご挨拶 (9)
SS (16)
ニコマス (125)
ニコニコ動画 (17)
はるるん (30)
雑記 (28)
携帯 (2)
美希 (27)
iM@S SP (2)
VOCALOID (34)
ネタ (3)
雪歩 (9)
MikuMikuDance (45)
写真 (10)
JAXA (13)
UTAU (4)
アイマス2 (5)
重音テト (2)

フリーエリア


My List
by yota39

FC2カウンター

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。