観葉植物
与太郎の妄想独り言

2017-05

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うつくしいかおり、のぞむはる その1

6月第3週 その1?1

久しぶりに気持ちよく晴れた月曜の朝。
「おはよう」
「おっはよー!」
「おーっす」
教室に入ると、俺の後ろの席のヤツが一心不乱に何かをいじっていた。
「時雨、おはよう」
「おぉ、おはよう双海」
こっちを向いて返事をしたと思ったら、すぐにまた手元に視線を落とす。
いじっているのはコイツ自慢のカメラだった。
「熱心なのは結構だけど大丈夫なのか?教室にまで持ち込んで堂々と」
「バーカ、これもれっきとした部活の一部だよ」
視線は手元を見たまま答えてきた。
「イヤ部活の一部ったって、普通は放課後に部室で・・・・・・」
「だーかーらー!」
イラついた口調で言葉を遮って、俺を睨みつけてきた。
「夏の大会に向けて朝練に励む運動部の写真を撮ってたんだよ!で、俺はグラウンドの部活の担当なんだよ!
 こんなチャンス、中々無かったんだから」
上天気の空を指差しながら、時雨は言った。
「あぁ、それで撮影後のメンテをしてたのか」
「そうだよ!」
そう言って時雨はまた作業に戻った。
なるほど、特に天候に左右される屋外の部活担当としてはこんなチャンスに撮影をしない手はない。
そこに無駄な突っ込みをしちゃ怒られても仕方ないけど。
「でもそろそろ片さないと、HR始まっちまうぞ?」
「そんなの分かってるよ!だからこうして急いでだなぁ・・・」
「ちょっと!高志クン!」
不意に後ろから声をかけられた。
そういえば、荷物を机に置いて立ったまま喋っていた。
声の主は誰か分かっていたので、振り返って挨拶をする。
「オハヨ春香・・・・・・ってどうしたの?そんな顔して」
腰に手を当て、眉を吊り上げて俺を睨んでいる。
明らかに怒っていた。
「どうしたの?じゃないわよ!今日日直でしょ!?」
「へ?」
言われて黒板を見る。右端、今日の日付と日直の名前。
双海/天海
「あっ!ゴメン忘れてた!」
「忘れてたじゃないわよ!まったく」
「いやマジでゴメンって。後残ってる仕事は?」
「朝一の分は全部終わったわよ」
俺は深々と頭を下げた。
「申し訳ない」
「なに?どうしたの?双海がなにかやったの?」
菊地がタオルで顔を拭きながら話しに入ってきた。
どうやら朝練アフターのようだ。
真っ先に時雨が声をかける。
コイツは相変わらず女の子への反応は速い。
「オハヨー菊地、いや実はさ・・・」
「ちょっと聞いてよ、真ちゃん!」
しかし春香がそれを遮って畳み掛ける。
「高志クンったら今日の日直すっかり忘れてここで時雨クンと話し込んでたんだよ!
 おかげで朝の仕事、全部私がやる事になっちゃったんだから!」
「へぇ、そーなんだ」
春香の勢いに押されたのか、菊地は目を丸くしている。
「そーよ!ねぇヒドイと思わない?雪歩もそー思うよね!?」
少し奥の席に座っていた萩原さんにまで同意を求め出した。
いくらなんでもムチャ振りなんじゃ・・・。
「えっ?いやっあのっ・・・その・・・・・・」
案の定萩原さんは返事に困っている。ですよねー。
「プッ!アッハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
いきなり菊地が笑い出した。
「ちょっと真ちゃん、なんで笑うの?」
春香はムッとしたようだ。
対照的にホッと胸をなでおろしている萩原さんが、目の端に映る。
「いやぁゴメンゴメン。ただ双海が怒られてるだけでも珍しいのに、こんなに縮こまってるの見たら、もうおかしくて」
それを聞いて萩原さんも、クスッと小さく笑った。
「そうだね。でも双海クンでも忘れたりするんだね。しっかりしてるように見えるから、そんなことしないと思ってたけど」
「それはさすがに買いかぶり過ぎってやつだよ。これでもコイツ結構抜けてるんだ」
いきなり進が話に入ってきた。
たった今まで自分の机で書き物をしていたんだが、話はキッチリ聞いていたらしい。
「抜けてる?」
菊地が進に聞いてきた。
「あぁ、コイツ昔からそうなんだ。普段はしっかりしてるくせに、何故か大事な所でミスるんだよ。忘れ物とかね。そのせいで色んな所で迷惑かけてきてるんだ」
「ふーん、そーなんだー」
何度も頷きながら俺を眺める春香。
その視線は冷たい。
「ただ他人がミスした時には真っ先にフォローに入ったりしてたし、大概の場合は許してもらってたんだよ。だから、さっきのは面白かったよ」
そう言って春香を見る進。
「面白かったって、高峰クン?」
きょとんとした顔で進を見る春香。
「高志の事あんなに怒ったの、天海が初めてだったから」
一瞬間が空いた。
「・・・あ、いやっ!その、あの・・・ア、アハ、ハハハハハ」
乾いた笑いでごまかした。
でも、皆もつられて笑い出す。
「春香、本当に悪かった、ゴメンな」
改めて春香に謝る。
「しょーがないわね」
春香にいつもの笑顔が戻る。
「でも、今日の日直はコキ使ってあげるから覚悟しなさい!」
しっかり釘は刺された。
「へへぇー、仰せの通りに」
ワザとうやうやしく頭を下げた。
そこに。
「アナタ達」
良く通る澄んだキレイな声が掛けられた。
でも俺にはそれが無機質な物に聞こえて、不快だった。
「いつまでもバカな話をしていないで、早く席に戻りなさい。もうすぐ予鈴が鳴るわよ」
「えっ?あ、そうだね」
春香が応えた。
「だいたい春香、こう言う事は本来日直のアナタが言うべき事でしょう?
 そのアナタが一緒になって騒いでちゃダメじゃない」
「そ、そうだね。ゴメンね千早ちゃん」
如月に一方的に言われてヘコむ春香。
「そこまで言うなら如月が日直やればいいじゃないか」
おもわず口走った。
「ちょっと、高志クン・・・!」
春香があわててフォローしようとする。
「あ、あのね!千早ちゃん」
しかし如月は既に俺を睨んでいた。
けれど如月が口を開くより早く、俺は後頭部を引っ叩かれた。
「・・いってぇな!」
そう言って振り返った途端、今度はデコの辺りを叩かれた。
「イテッ!何すんだよ?」
時雨を睨みつけたが、当の本人は如月に手を振って愛想を振りまいている。
如月はと言えば、何か言いたそうにしながらも、結局何も言わずにプイッとばかりに前を向いた。
それを確認した時雨は、俺に向き直って小さい声で、しかし強い口調で聞いてきた。
「あんな言い方はないんじゃないか!?
 お前が如月と馬が合わないのは分かってるけど、だからってわざわざ喧嘩を売るような言い方する事はないだろう!」
「それは分かってるよ。別に喧嘩を売るつもりは俺にもないし」
「だったら少し我慢しろよ、みっともないぞ」
「分かったって、努力するよ」
「まったく・・・」
「高志クン」
隣の席から春香が声を掛けてきた。
「何?」
「うん。来週なんだけど・・・」
予鈴が鳴った。
「あっ、えっと、また放課後にね」
先生が来た。



HRの間中、春香の言葉を考えていた。
『来週って、何かあったっけ?』
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